転職活動を始めたときって、どうしても目の前のことに意識が向きがちですよね。
求人を探したり、履歴書を直したり、面接の日程を組んだり。
それに加えて、「早く今の職場から抜け出したい」という気持ちもありました。
私も当時は、次を見つけることばかりに必死で、“なぜ転職したいのか”“自分はどんな環境で力を発揮できるのか”を深く考える余裕がなかったと思います。
気づけば10回以上の転職を経験してきましたが、「成功した」と胸を張って言える転職は、正直ひとつもありません。
ただその中で、はっきりわかったことが、
自己理解が浅いままでは、転職を繰り返しても同じ壁にぶつかるということ。
この記事では、焦りや勢いで選んでいた頃の失敗を振り返りながら、
自己理解が進むことで転職の基準がどう変わるのかをお話しします。
読んだあとには、“選ばれる転職”から“自分で選ぶ転職”に変わるヒントが見つかるはずです。
転職を繰り返していた頃、私の選び方は「条件」だけだった
転職を考えるとき、最初に目が行くのは「求人条件」だと思います。休日、勤務時間、職場の雰囲気…。私も当時は求人票やその企業情報を眺めながら、
「ここなら続けられそう」「この仕事ならできそう」と、半ば思いつきで決めていました。
それに、これまでの仕事を振り返ると、「人と接する仕事なら、とりあえずどうにかなってきたし、楽しかった」という感覚もありました。
接客や営業の経験もあったので、どんな職場でも何とかなるだろう――そんな楽観もあったと思います。
ただ、今振り返ると――その判断は“表面的”でした。
辞めた理由を並べてみると、
「上司との考え方が合わない」「仕事内容が思っていたのと違う」「働き方がブラックすぎる」「会社の方針に納得できない」など、どれも“外側の要素”ばかり。
でも、どの職場にも共通していたのは、自分の中に確かな軸がなかったことでした。
「自分はどんな環境で力を発揮できるのか」「何を大切にしたいのか」を考えないまま、条件や思いつきだけで仕事を選んでいたのだと思います。
「早く辞めたい」「次を決めなきゃ」が判断基準だった
当時の私は、仕事を探すというより“逃げ場を探していた”のかもしれません。
「とにかく今の環境から抜け出したい」
「次の仕事を早く決めて安心したい」
その気持ちが先に立って、求人票の中身をじっくり見る余裕はほとんどありませんでした。
今思えば、焦りや不安の中で選んだ転職ほど、長続きしませんでした。
入社してしばらくは新鮮さで頑張れるものの、やがて「思っていたのと違う」という感情がまた顔を出す。
そのたびに、「どうしてこうなるんだろう」と自分でも分からなくなっていました。
仕事内容や働き方の“現実”にギャップを感じていた
面接で聞いていた話と、実際に働いてみて感じた現場の空気は、けっこう違っていました。
- 「残業はほぼなし」と言われていたのに、実際はサービス残業が当たり前。
- 「教育体制が整っている」と聞いていたのに、結局は自分で覚えるしかない。
- 上司や先輩によって方針がバラバラで、何を信じて動けばいいのかわからない。
「このやり方でいいのかな?」と戸惑いながらも、当時の私は「まあ、どこもこんなものか」と思って受け入れていました。
今思えば、それは“現場の問題”というよりも、自分がどんな働き方を望んでいるのかを理解していなかったからです。
条件や雰囲気だけで「ここならやっていけそう」と思っていたけれど、それは“自分の内側”を見ないまま選んだ結果でした。
そして、面接受かったら「他に採用取れるかわからないし、とりあえず入社しよう」と思っていました。
採用されたことに安心して、「ひとまず決まってよかった」と感じていたんです。
その“ほっとした気持ち”のまま入社して、また次の違和感にぶつかる――。
今思えば、その繰り返しが転職を重ねる原因になっていたのだと思います。
自己理解の浅さに気づいた瞬間
50代のいま、これまでの転職を振り返ると、あることに気づくようになりました。
どんな職場に行っても、結局似たような壁にぶつかっている――ということです。
最初のうちは、「自分は会社や上司に恵まれないな」と思うことがほとんどでした。
けれど、ふと冷静になったときに、
「もしかして自分の中にも原因があるのかもしれない」と思ったんです。
どんな環境に行っても同じようなズレを感じるなら、それは“環境のせい”ではなく、
“自分が何を大事にして働きたいのかをわかっていない”からなのかもしれない――そう感じるようになりました。
思い返せば、これまでの転職では「どんな仕事をしたいか」よりも、「何から逃れたいか」で判断していました。
前職の不満を解消するためだけの転職――それが多かったんです。
もちろん、それが悪いわけではありません。
でも、“何を避けたいか”ではなく、“どんな状態なら充実して働けるのか”を考えたことがなかった。
自分の価値観を理解しないまま選ぶから、結果的にどこへ行っても満たされない。
この繰り返しが、自分をどんどん迷わせていたのだと思います。
自己理解を深めるためにやってみたこと
きっかけは、あるときネットで読んだ記事でした。そこには、
「自分の価値観や目的、目標がないと、正しい判断をすることは難しい」
と書かれていました。その一文を読んだとき、「もしかすると自分もそうなのかもしれない」と思ったんです。
転職を重ねてもどこかで違和感を感じていたのは、“今の状況から抜け出したい”という理由ではなく、
そもそも自分の中に明確な判断基準がなかったことが原因ではないか――そう感じるようになりました。
とはいえ、入社してみて本当に限界を感じる環境もありました。
理屈では割り切れないことも多く、働く中で心身がすり減るような経験もありました。
ただ、そうした状況を繰り返さないためにも、
「自分がどういうときに限界を感じるのか」「何を優先して働きたいのか」を整理する必要があると思ったんです。
📝最初にやったのは、自分のスキルの見直し
これまでの仕事で身についたスキルを一つひとつ書き出してみて、
「これは続けてきたから自然にできるようになった」「これは苦手だったけど意外と評価された」など、
自分の得意・不得意を改めて整理しました。
すると、スキルの中にも“自分らしさ”が見えてきたんです。
たとえば私の場合、
- 地道な作業をコツコツ続けること
- 初めての環境でも適応するスピードが早いこと
など、どの職場でも共通して発揮できていた部分がありました。
逆に、「スピード重視で成果を競うような環境」ではストレスを感じやすいことも分かりました。
🔍自己分析ツールの活用
そのうえで、「ストレングスファインダー」や「グッドポイント診断」などの自己分析ツールも使ってみました。
結果そのものよりも、質問の切り口から「自分がどんな価値観を重視しているのか」に気づくことが多かったです。
“答え合わせ”というより、“自分の傾向を再確認するためのヒント”という感覚でした。
過去の経験を振り返る中で、焦りや不安で決めた転職ほど違和感が出やすいことにも気づきました。
これは、自分の中に「大事にしたい基準」がはっきりしていなかったからだと思います。
こうして少しずつ、
「どんな働き方が自分にとって心地よいのか」「どんな会社なら長く関われそうか」が見えてきました。
自分の考え方や強みを客観的に知りたいと思い、実際にやってみたのがこの本でした。
📘自己理解を深めたい人におすすめの一冊
この本を読んでオンライン診断を受けると、自分の強みが具体的に言語化されます。
「自分ってこういう考え方をするんだ」と気づくことで、転職やキャリア選びの判断基準が少しずつクリアになりました。
自己理解に“正解”はない。でも、立ち止まる時間には意味がある
これまでを振り返ると、私はずっと「条件」や「タイミング」で転職を決めていました。
「採用されたから」「前より条件がいいから」「もうここにいたくないから」――そんな理由が多かったと思います。
でも今になって思うのは、
転職で大切なのは「逃げること」でも「我慢すること」でもなく、“自分を理解したうえで選ぶこと”だということ。
- 何を避けたいかだけでなく、何を大切にして働きたいかを言語化する
- 「どんな環境なら力を発揮できるか」を自分の言葉で説明できるようにする
- 焦りや不安のときほど、10分でいいからメモに書き出して頭を整える
自己理解に「解答用紙」はありません。
ただ、立ち止まって考える時間は、次の選択を確かなものにしてくれます。
“どんな仕事がしたいか”よりも、“どんな働き方が心地よいか”に目を向けられるようになること、
それが、仕事選びで大切な要素のひとつだと思います。
💭「自分に合う仕事ってなんだろう?」と感じた方はこちらもどうぞ
👉【自己理解×自己診断】で気づいた得意なのにしんどい仕事の正体
まとめ:【選ばれる転職】から【自分で選ぶ転職】へ
焦りや勢いで選んでいた頃の私は、同じ壁に何度もぶつかっていました。
その原因の一部は、自己理解の浅さにあったのだと思います。
- スキルの棚卸しで「できること/苦手なこと」を見える化する
- 自己分析ツールで価値観や思考のクセを言語化する
- 働き方の条件(時間・休み・雰囲気)と、自分の軸(大切にしたい価値)を分けて考える
- 意思決定前の10分メモで、衝動ではなく基準で選ぶ練習をする
転職の成功は、“選ばれること”ではなく“選ぶこと”。
そのためのいちばんの近道は、自分を知る時間を確保することでした。
この記録が、今まさに悩んでいる誰かの「立ち止まる10分」のきっかけになれば嬉しいです。
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