「自分に合う仕事が分からない」
「本当に好きな仕事ってなんなんだろう?」
そんなふうに考えること、ありませんか?
私はこれまでに12回の転職を経験しましたが、
正直なところ――
今でも「これが天職だ!」なんて言い切れるものはありません。
でも、最近ふと思い出したことがあるんです。
「好きな仕事」とは、情熱じゃなく、心に残った“ある感覚”かもしれない、と。
📘 「好き=向いてる」ではなかった現実
私は若い頃、いろんな仕事に挑戦しました。
設計職、営業職、現場管理、接客…。
どれも、ある程度はこなせる。でも、どれも「これが本当に好きな仕事か?」と聞かれると、自信をもって答えられないまま。
いわゆる“器用貧乏”だったんだと思います。
そこそこ何でもできるけど、これといった専門性があるわけではない。
頼られることも多かったし、評価されることもありましたが、
ただ私は、自分にできることを一生懸命やっていただけなので、
「この人といえばこれ!」というわかりやすい強みがないことに、ずっとモヤモヤしていました。
“好き”と“向いてる”と“稼げる”は、必ずしも一致しない――
それを痛いほど感じてきたのが、私の転職人生でした。
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🍳 ふと思い出した、大学1年のアルバイト
そんな私が最近ふと思い出したのが、大学1年のときの初バイト。
広島市内の屋台村にあった、お好み焼き屋さん。
カウンター10席ほどの、こぢんまりとしたお店でした。
その屋台村には、全部で8店舗ほどの小さな飲食店が並んでいて、毎日わいわいとにぎやかでした。
店主のおばちゃんは、ちゃきちゃきで陽気な人。
私が出勤すると、
「あんた来たけぇ、ちょっと出てくるわ!あとは頼んだよ〜!」
って、笑いながら出て行く(笑)
気づけば、大学生の私ひとりで店をまわす日も多々ありました。
あるとき、他の店舗の店主さんに「おばちゃんは?」と聞かれ、
「出かけとります」と答えると、こう返ってきたんです。
「ああ、もっしぃぃぃ君がおるんなら、大丈夫じゃね。」
その一言が、なんだかとても誇らしかったのを覚えています。
💡 「任されること」の喜びに気づいた
最初は戸惑ったけど、今振り返ると、あれがすごくうれしかったんです。
『あんた、よう気ぃつくのぉ。お客さん、喜んどっちゃ。』
そう言ってもらえたことが、ずっと心に残っています。
✔ “人と関わって、直接感謝される”
✔ “自分の対応で場がまわる”
✔ “任せてもらえる信頼感”
――あの経験が、私の中の「働くことの楽しさ」の原点だったのかもしれません。
🔍 好きな仕事って、案外こんな感覚かも
それ以来、私はずっと「人と関わる仕事」を選び続けてきました。
表向きは営業や接客といった形でも、
根底にはいつも「あの時のカウンターの空気感」があった気がします。
“好きな仕事”って、情熱や夢だけで決まるものじゃない。
「なんか心地よかった」
「うまく言えないけど、またやりたいと思った」
そんな“原風景のような記憶”が、実は一番のヒントになるのかもしれません。
🎯 あなたの「またやりたい」はなんですか?
私は、いまだにお好み焼き屋に行くと、
つい「自分で焼いてみたいな」って思ってしまいます。
それってたぶん、30年前の鉄板の前の記憶が、
今でも自分の中に残っている証なんだと思うんです。
“好きな仕事が分からない”という人こそ、
昔の自分をちょっとだけ振り返ってみてください。
思いがけないところに、ヒントがあるかもしれません。
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