転職回数が多い人のスキル棚卸し記録|13〜20代のキャリアを振り返ってみた【前編】

スキル棚卸し記録

どうも、もっしぃぃぃです。

今回は、自分自身のこれまでのキャリアを振り返る「スキル棚卸し」に本気で取り組んでみました。
転職回数が多いとか、一貫性がないとか、昔はどこか引け目を感じていたこともあります。でも改めて1つ1つの経験を思い出して書き出してみたら──意外と“今の自分”に活きているスキルがたくさんあることに気づいたんです。

この【前編】では、10代から20代の頃に経験した仕事を振り返ります。
中学生時代の新聞配達から始まり、学生バイトや正社員としての店舗運営、不動産営業まで。
“がむしゃらに働いていた時期”だからこそ身についた「現場力」と「実践力」。そんな私の原点を棚卸ししていきます。

📰 中学生時代、新聞配達で身についた朝の継続力

中学2〜3年の頃、早朝の新聞配達を約1年間続けていました。毎朝5時起きで、雨の日も風の日も自転車で各家庭に新聞を配達。ルートを覚え、時間通りに届けるのが日課でした。

「継続力」「自己管理」「責任感」など、今につながるスキルは、たぶんこの頃に芽生えたのかもしれません。

ちなみに、当時の目標はパイオニアのミニコンポを買うことでした。今の若い人にはピンとこないかもしれませんが、同世代の方なら「あったなぁ…」と懐かしく思うかもしれません(笑)。自分で貯めたお金で買ったそのミニコンポ、今でも記憶に残っています。

📌 この仕事で得たスキル

  • 朝に起きて決めたことをやりきる「継続力」
  • 時間やルート管理を自分で考える「自己管理力」
  • 仕事に対する「責任感」や「やり抜く力」

🍱 年末恒例、実家の弁当仕出し屋で培った“忍耐力”

中学1年から高校3年までの毎年年末、実家の弁当仕出し屋を手伝っていました。前日の夕方から翌日の昼まで徹夜で、巻き寿司用の酢飯を4升炊きの業務用炊飯器で何度も炊き上げるという、まさに“体力勝負”の現場でした。

炊きあがったご飯にすし酢を合わせ、うちわと扇風機で適度な温度まで冷まし、シャリ保温ボックスへ移す。巻き手さんの作業ペースを見ながら、酢飯の減り具合に合わせて次の炊飯タイミングを調整する──そんな工程を、夜通し何度も繰り返していました。

酢飯を混ぜるための大きなしゃもじを長時間使うので、手はパンパンに腫れ上がって真っ赤に。でもその場では「しんどい」「つらい」という感覚はあまりなく、顔なじみのある従業員にかわいがってもらいながら作業し、どこか楽しんでいたように思います。

ただ、仕事が終わって昼ご飯を食べる時、お箸を持つ手が痛くて思わず笑ってしまった──そんな記憶が今でも残っています。

📌 この仕事で得たスキル

  • 単純作業でも集中力を維持する「持続力」
  • 決められた量・時間をこなす「タスク遂行力」
  • 厳しい状況でもやり抜く「体力・根性・責任感」

👩‍🍳 お好み焼き屋での接客と“空気を読む力”

大学生の頃、屋台村にある小さなお好み焼き屋さんで、3年ちょっとアルバイトをしていました。カウンター10席ほどのこぢんまりとしたお店で、基本は店主のおばちゃんと私の2人で営業。

でも、おばちゃんが買い出しや用事で不在になる時間帯には、私ひとりで店を任されることもありました。

注文を受けて、鉄板でお好み焼きやサイドメニューを調理し、ドリンクを出して、洗い物をして、お会計まで──ぜんぶを同時進行でこなす必要があったので、最初はてんやわんや。

それでも慣れてくると、お客さんと会話を楽しみながら作業ができるようになっていき、「自分の接客でお客さんが笑顔になる」そんな瞬間に、なんとも言えない嬉しさを感じるようになりました。

このとき、「接客って、楽しいな」と心から思えたんです。今振り返っても、この経験があったからこそ、私はその後も接客業を自然と選び続けてきたんだと思います。

来店されるお客さんの年齢層も、20代のカップルやサラリーマン、近所の年配のご夫婦などさまざま。自然と相手に合わせた話し方や距離感を学ぶことができたのも、大きな財産でした。

📌 この仕事で得たスキル

  • 調理・接客・会計を並行して回す「マルチタスク力」
  • 状況に応じた判断と優先順位づけ「段取り力」
  • 相手の空気を読んで関わる「柔軟な対人スキル」
  • そして何より、「接客の楽しさに気づいた原体験」

🥗 サラダバイキング店で“準社員”ポジションに(フリーター時代)

20代前半の頃、フリーターとして飲食店で働いていた時期があります。そのお店は、平日ランチはサラダバイキング、夜と週末は焼肉バイキングという二毛作スタイルの店舗でした。

私は主に平日のランチ帯に入っていて、最初はキッチン業務からスタート。下ごしらえ、盛りつけ、洗い場などの裏方作業を黙々とこなしていました。

そんなある日、店長から突然「ホールもやってみないか?」と声をかけられて──「えっ、ホール!?」と一瞬驚きはしたものの、なぜか抵抗感はなく、「あ、はい。わかりました」と、自然と返事をしていました。

思えば、お好み焼き屋での接客経験があったこともあり、やったことないことの指示に対しても素直に受け取り、行動する度胸がついていたのだと思います。

そうして翌日からホールにも立つようになり、その後は、ランチ帯のアルバイトのとりまとめ、シフト作成など、少しずつ役割が広がっていきました。

最終的には、社員が不在の時間帯でも店舗をまわせるようになり、実質“準社員”のような立場として現場を支えていました。ホールに立ちながら、キッチンがバタついていればすぐにヘルプに入る──そんな風に、状況に応じて動ける柔軟さや判断力も、ここで鍛えられました。

もちろん、社員からすれば当たり前のことだったかもしれませんが、アルバイトという立場でここまで任せてもらえたことは、自分にとって大きな自信につながりました。

📌 この仕事で得たスキル

  • 現場の状況に応じて動ける「判断力と柔軟性」
  • 接客・指示出し・バックヤード対応の「総合的な実行力」
  • 意外な展開でも素直に受け止めて動く「即応力と素直さ」
  • 経験の積み重ねが支える「自信と当事者意識」

📐 設計会社でCADと“大企業文化”を知る

20代前半、地方の設計会社に正社員として就職しました。配属からすぐに、県外にある大手自動車部品メーカーへ出向することになり、そこの設計部門でCADオペレーターとして働くことに。

入社して最初の1ヶ月は、社内研修で手書き図面の描き方をみっちり学びました。そして出向先では、2次元CADの操作方法を一から教えてもらいながら、図面の見方、寸法の考え方、製図ルールなどを実務を通じて覚えていきました。

それまでCADなんて見たことも触ったこともなかった私にとっては、まさに未知の世界。毎日メモと格闘しながら、少しずつ“設計の言語”を覚えていく感覚でした。

そして同時に、大企業という組織の仕組みや文化にも圧倒されました。

社員証を忘れたら建物にすら入れず、部署に電話して本人確認を受けないといけない。カラーコピーを使ったら、名前と印刷枚数を専用表に記入する。そんな細かいルールが徹底されていて、正直「すごっ…」と驚いたのを覚えています。

さらに、5階建てのビルの各階に社員食堂がある、1日1万人近くが働く広大な敷地、見たこともない巨大な設備の数々──まさに“もう1つの世界”に足を踏み入れたような体験でした。

この職場で得たのは、CADのスキルだけではなく、「大きな組織の中で動くには、こういうルールや仕組みに順応していく必要があるんだな」という実感。のちに転職を重ねる中でも、こうした“環境適応力”はとても役立ったと感じています。

📌 この仕事で得たスキル

  • 実務を通じて学んだ「2次元CADの基礎知識と操作スキル」
  • 設計図面の構造・寸法の考え方など「ものづくりの基礎感覚」
  • 大企業の仕組みに慣れる「組織適応力とルール順応性」
  • 新しい知識をコツコツ積み上げる「学習継続力」

🍜 飲食店の店長として運営・人材マネジメント

いろんな事業を運営している地方の某◯◯グループの飲食事業部で正社員として採用され、店舗運営に本格的に関わるようになりました。ホール、キッチン、店長業務まで幅広く経験し、毎日が“現場の全部”という感じ。

食材や消耗品の発注・在庫管理、アルバイトの採用・育成・面接、シフト作成、業者との価格交渉、新店オープン時の立ち上げ支援や閉店時の撤退業務など、店舗に関わることはすべて任されました。

中でも印象に残っているのは、キッチンが私ひとり、ホール2名という3人だけの体制で、18卓・50人弱の客席を回していたことがあった場面です。オーダーの多くがサラダ、パスタ、ピザ、ドリアといった洋風メニューだったのですが、レシピが非常に秀逸で組み立てがしやすかったこともあり、ピーク帯でも1人で一通りの調理をこなしていました。

このときに、料理を段取りよくさばく力、フライパンを振る手際の良さ、判断スピードなど、料理を実務としてこなすスキルは一気に上がったと思います。

また、経費をどう抑えるか、人をどう配置するか、オペレーションをどう改善するか──そうした数字と現場をつなぐ感覚は、現場に立ちながらでないと分からないものでした。

スタッフは10代の学生から50代の主婦までと年齢層が広く、それぞれに合わせた言葉選びや伝え方を工夫する必要がありました。最初は試行錯誤の連続でしたが、少しずつ信頼関係が築けるようになっていきました。

そういえば、昔店長経験があるという主婦のパートさんから「店長は私が育てた」と言われたこともありました。これは、いい意味でコミュニケーションがしっかりとれていた証であり、信頼されていたことの裏返しだったのだと今では思います。

店を運営していくなかで、「店舗を1つのチームとしてまとめる」という意識が自然と芽生え、自分なりのマネジメント感覚も養われていきました。

📌 この仕事で得たスキル

  • 店舗経営に必要な「運営・数値管理スキル」
  • 面接や育成などの「人材マネジメント力」
  • 料理を一人でこなす「調理段取り力と作業効率」
  • 年齢・立場に合わせた「コミュニケーション設計力」
  • チームをまとめる「リーダーシップと信頼構築力」

🏠 不動産営業にもチャレンジ(1ヶ月)

短期間でしたが、不動産営業の仕事にも挑戦しました。

飛び込み営業がメインで、法人の社宅になっているマンションを1部屋ずつ訪問し、在宅率が高そうな時間帯を見計らって訪問・ヒアリング。住人のニーズを聞き出し、条件に合いそうな物件を紹介していくというスタイルでした。

空き時間には自ら物件を見に行き、場所や建物の雰囲気、周辺環境などを自分の目で確認して把握しておくようにしていました。そうすることで、提案時に「この物件は〇〇駅から徒歩5分で、近くにスーパーもありますよ」といった具体的な話ができるようになります。

実務期間は1ヶ月ほどと短かったものの、「初対面の相手の心をどう開くか」「相手のニーズをどう引き出すか」という点で、かなり勉強になった経験でした。

また、見て・聞いて・動くという営業の基本姿勢を体感できたことも、今につながる収穫だったと思います。

実はこの期間中に、中古住宅の買主側として1件仲介契約を取ることができました。

契約当日、買主の方が持参した現金2,000万円の束を目の前にして「うわっ、これが本物の現金か…」と妙に感動したのを覚えています。

しかもその物件は少し特殊で、競売で売りに出されていた住宅でした。契約の場には、売主・買主・司法書士・仲介会社だけでなく、債権関係の方々も同席しており、現金を分け合うようなやり取りまで行われていて……「うわ〜、こういう世界があるのか」とただただ驚くばかりでした。

期間としては短かったとはいえ、不動産の現場の“裏側”を垣間見る経験ができたのは、自分にとって貴重な体験だったと今でも思っています。

📌 この仕事で得たスキル

  • 初対面でも対応できる「対人コミュニケーション力」
  • 相手のニーズを探る「ヒアリング力と提案力」
  • 物件の現地確認などの「自発的な情報収集力」
  • 現場で動く「営業としての基本姿勢」
  • 実務契約から現場の流れまで見た「不動産取引のリアル」

🍶 居酒屋のキッチンで“現場の料理力”を学ぶ(フリーター時代)

次に働いたのは地元の居酒屋でした。フリーターとして、夕方からの営業に合わせてキッチンでアルバイト勤務をしていました。

いわゆる「完全にお酒を楽しむ店」というスタイルで、ドリンクメニューも料理も豊富。私は基本的に厨房担当で、炒め物、サラダなどの冷菜、天ぷらといったメニューを次々に仕上げていく役割を担っていました。

店長時代にもキッチンで調理をしていた経験はありましたが、ここで扱う料理はまたひと味違っていて──だし巻き玉子や中華鍋、揚げ物など、より“職人っぽい”技術が求められました。

そのお店のオーナーは、まさに“昭和の日本食の職人気質”を感じさせる方で、調理には一切の妥協を許さず、教え方も非常に実直。私はその背中から多くのことを学びました。

特に印象に残っているのは、ふわふわのだし巻き玉子の焼き方、中華鍋の扱い方、そして天ぷらを「音」や「油の泡の具合」で判断するという、五感を研ぎ澄ませるような調理の技術。包丁の研ぎ方(もちろん完璧ではないですが)も教わりました。

ただ、私はあくまで「料理人になりたい」と思っていたわけではなく、任された役割をこなしていたというスタンスです。料理そのものが好きというより、「忙しい中でいかに効率よくオーダーを回すか」というオペレーションの組み立てに面白さを感じていました。

金曜・土曜のピークタイムは厨房が大混乱になるほどの忙しさ。オーダーが次々に通ってくる中で、どの料理を先に作るか、段取りをどう組むか、火の加減はどうか──そんな判断を瞬時に行いながら、効率よくまわしていくスリルのようなものが楽しかったのを覚えています。

また、私はお客様と接することも好きだったので、時々は料理の提供やオーダーを任せてもらうこともありました。そういった機会を通じて、居酒屋のホールの雰囲気や、接客のタイミング・距離感も自然と身についていったように思います。

📌 この仕事で得たスキル

  • これまでにない「本格的な調理技術と判断力」
  • 職人の背中から学んだ「五感で動く調理感覚」
  • 繁忙時間に耐える「段取り力・優先順位の見極め」
  • ホール経験を含めた「現場対応の柔軟さと接客感覚」

🔚 前編まとめ|“やりながら覚える”現場体験の価値

こうして振り返ってみると、若い頃に経験した仕事の数々は、どれも「実践で体を動かしながら覚える」タイプの仕事ばかりでした。

決して“エリートコース”ではないけれど、現場での判断、空気を読む力、地道に続ける力──それらは、机上の知識では身につかないものだったと思います。

「この経験、まったく無駄じゃなかったな」
そんな気づきを得られたことが、今回棚卸しをして一番よかったことかもしれません。

👉 続きはこちら:
【中編】30〜40代前半|“視野が広がった葛藤と成長”の時期

📚 スキル棚卸しシリーズまとめリンク

👉 【前編】10代〜20代|現場力と実践力の原点
👉 【中編】30代〜40代前半|視野が広がった葛藤と成長の時期
👉 【後編】40代後半〜50代|住宅×現場×営業スキルの集大成
👉 【まとめ編】スキル棚卸しをやってみた結果…全職歴から見えてきた“自分の軸”とは?