転職回数が多い人のスキル棚卸し記録|30代〜40代前半の模索と転機【中編】

スキル棚卸し記録

どうも、もっしぃぃぃです。

スキル棚卸し企画の【中編】では、30代〜40代前半に経験した仕事を振り返ります。

この時期は、新しい業界への挑戦と、自分なりの働き方の模索が続いた日々でした。

自動車販売からスタートし、飲食会社での制度づくり、営業スキルを磨いた布団営業、何でもやった日雇いバイト、そして最終的には12年間にわたって働いた書店チェーンへ──

一見バラバラに見える経験も、振り返ってみると、それぞれの職場で得たものはちゃんと“つながっている”ように感じます。

それでは、いってみましょう!

🚗 自動車販売店で“体を使う現場対応力”を学ぶ

30代前半、次に働いたのは、地元の自動車販売店でした。

整備補助として、車検整備やタイヤ交換、オイル交換、故障車の引き取りなどを担当。ときには4t積載車を運転し、別店舗へ車を運んだり、故障車を引き取りに行ったりと、体力も求められる仕事でした。

また、店頭ではお客様対応も任されており、タイヤ交換やオイル交換などの受付・会計のほか、ナビやドライブレコーダーの取り付け相談、修理目的で来店された方へのヒアリングも行っていました。それを整備士に正確に伝える「橋渡し役」としての役割も重要でした。

最初は知識ゼロで飛び込んだ業界でしたが、実際に触れながら学ぶことで、車の構造や名称など、最低限の知識が自然と身についていきました。

現場では突発的な作業も多く、その場でどう動くかを自分で判断しながら対応する柔軟さと、体を使って現場を回す段取り力が養われたように思います。

📌 この仕事で得たスキル

  • 整備補助や引き取り業務などの「現場対応力と体力」
  • 状況に応じて動く「段取り力と柔軟性」
  • お客様対応から整備士への伝達までの「コミュニケーション力」
  • 車に関する「基礎知識と実務経験」

🏢 個人経営の飲食会社で“制度整備と運営面の課題”に向き合う

30代前半、自動車販売店での勤務を経て、次に正社員として入社したのは、いくつかの飲食店を運営する個人経営の会社でした。

これまでの飲食業での現場経験を活かす場ではありましたが、この職場での学びは制度面や組織運営に対する気づきが中心になりました。

当時、社員の採用に苦戦しており、その理由について私は社会保険に加入していないことが原因だと確信していました。

「社会保険がない会社では、応募が集まらないのは当然」── そう考えた私は、採用改善のために社会保険の導入に向けた調査と準備を始めました。

ポジション的にも経営層と近い立場にいたため、制度導入の必要性を伝えたり、年金事務所に出向いて必要書類や手続き内容を確認したりと、できる範囲で具体的に動きました。

結果的に導入には至りませんでしたが、自分が“制度を整える側の視点”に立ち、働く環境そのものを良くしようと考えて動いたのは、これが初めての経験でした。

また、在籍中には居抜き物件を活用した新店舗の立ち上げにも関わる機会がありました。

撤退する企業から厨房機器や調理器具などを譲り受けるため、私はその買い取り交渉や備品チェック、スケジュール調整などを担当。現場とは違う視点で、「どう店舗をスタートさせるか」という裏方の仕事を経験しました。

一方で、社長が現場に入ると突然メニューを変えたり、オペレーションの流れを変えることがあり、現場が混乱することもしばしばでした。

そこで私は、ブレが出ないよう、レシピや業務マニュアルを整備し、現場に落とし込む取り組みを進めました。「感覚」ではなく「共有できるルール」にすることで、店舗運営が少しずつ安定していったように思います。

この会社での経験は、現場オペレーションの延長線ではなく、“会社という仕組み”を意識するスタート地点になったように思います。

📌 この仕事で得たスキル

  • 社会保険制度の導入に関する「実務知識と調査行動力」
  • 採用改善に向けた「制度的課題への提案意識」
  • 新店舗準備における「備品交渉・物件立ち上げ対応力」
  • 現場の混乱を防ぐ「レシピ・マニュアル整備と標準化の工夫」

🛏 布団の打ち替え営業で“トークスキル”をさらに磨く

30代前半、次に経験したのは、いわゆる“布団の打ち替え”を案内する訪問営業の仕事でした。

私の役割は、毎日100軒以上のご家庭をピンポンしてまわり、興味を持ってくれたお客様を“クローザー”(契約担当)につなぐこと。

かなり体力勝負な仕事でしたが、営業としての話し方や立ち振る舞いのスキルが飛躍的に鍛えられた職場でもありました。

玄関先でお客様に出てもらえるかどうかは、最初の数秒で決まります。インターホン越しの声のトーン、言葉の選び方、表情、そして“しゃがんで話す”など、ちょっとした気遣いや工夫が成果に直結しました。

また、相手の年齢や雰囲気に合わせて、丁寧な言葉を使うか、あえて砕けた言葉にするか、方言で親近感を出すか── 話すスピードやリズム、距離感など、まさに“人と話すこと”を突き詰めた経験だったと思います。

もともと、飲食店やお好み焼き屋で接客をしていたこともあり、お客様と話すのは得意な方でしたが、その接客力が営業スキルとしてブラッシュアップされたのがこの仕事でした。

そして今振り返ると── 相手や状況に合わせて話し方を変えるという感覚は、ここでの経験が原点だったのかもしれません。

📌 この仕事で得たスキル

  • 1日100件超の訪問を通じて鍛えた「体力と行動力」
  • 相手に合わせて言葉を変える「応用力あるトークスキル」
  • 第一印象と距離感を意識した「対面営業の会話術」
  • アプローチからクロージングへの連携力

📦 派遣登録で“なんでもチャレンジ”した日雇いバイト時代

30代前半、転職活動を続けながら、派遣会社にも登録し、日雇いバイトでいろんな現場を経験していました。

イベント会場の設営では、早朝からパイプ椅子を並べたり、ステージの骨組みを運んだり。飲食店のホールでは、以前の接客経験を活かしつつも、即戦力としてのスピードと丁寧さが求められました。

中でも多く入っていたのが、足場屋さんの現場での作業補助。日当が良く、仕事も安定してあったため、自然と回数も多くなりました。

最初の頃は、足場の上で資材を運ぶだけでも、怖くて足がすくむこともありました。レッカー車に合図を出してマンションの屋上まで資材を上げる作業などもあり、慣れるまでは緊張の連続。でも、現場の足場職人さんたちの動きはまさに職人芸。高所をスイスイ移動する姿に、素直に「すごいな…」と尊敬の気持ちが芽生えました。

現場では、足場の種類や組み立て・解体の流れを実地で覚えたり、朝礼やラジオ体操など、大規模現場特有の文化にも触れました。

こうした経験の積み重ねが、「知らない世界でも臆せず飛び込んでみる力」や、「その場に応じて動く感覚」を磨いてくれたと思っています。

📌 この仕事で得たスキル

  • 初対面・初現場での「即対応力」
  • 現場特有の作業手順や文化を学ぶ「現場理解力」
  • 足場資材・作業工程・高所作業に関する「基礎的な建設知識」
  • 怖さを乗り越えた「行動力と適応力」

📚 複合型書店チェーンで店舗運営と新規事業に携わる

30代半ばから40代前半、CD・DVD・コミックのレンタルから、書籍・ゲーム販売、トレカ、ネットカフェ、アミューズメントまでを取り扱う複合型書店チェーンで、私は人生で最も長く勤めた会社に出会いました。

入社後はレンタル部門に配属され、貸出・返却・会員受付などの基本業務からスタート。やがて新作出しや企画棚づくり、売場のゾーニング変更といった売場改善にも積極的に関わるように。

一般社員から店長へとステップアップする中で、新作セット料金の見直しやレンタル新作コーナーの強化、韓流ジャンル棚の展開など、売上・競合対策にも力を入れました。

施策導入には役員への答申資料作成や商品部との調整も伴い、現場と本部の両方に関わるようになりました。

店長業務では年間予算や販促計画づくり、月ごとのイベント設計、販促物の手配・チェックまで担当し、戦略的な店舗運営へと視点が変化。

設備のトラブル対応も任され、空調・レジ・什器・照明の修理手配など、現場の細かな課題にも対応していました。

また、複数店舗への転勤経験もあり、新天地ではまず事務所やレジ内を整理整頓して信頼関係を築く──そんな工夫も覚えました。

その後、レンタル部門の店長から複合店舗の統括店長、さらにはSV(スーパーバイザー)に昇格。CD・ゲーム・書籍販売など他部門も含め、店舗全体の運営管理を担当しました。

他店の新店オープン支援やゾーニング変更の応援にも関わる中で、特に意識するようになったのが「アルバイトに光を当てる運営」。

担当売場のアルバイトの声を反映し、「やってみたい」を形にすることで、モチベーションと売上の両方を高めることができました。

そんな中、会社の新規事業として「飲食部門立ち上げ」のプロジェクトが始動。飲食経験があり評価も高かった私は、リーダーに任命されました。

外部飲食企業に4ヶ月出向し、オペレーション・レシピ・厨房機器・オーダーシステムを徹底的に学び、自社に持ち帰って導入準備。

書店中心の会社だったため、仕入・厨房機器業者などの取引先も一から開拓。図面・厨房レイアウト・内装デザイン・備品・機器選定・POS導入まで全フェーズを担当し、約8ヶ月後に店舗がオープン。

飲食業界のプロではない私にとって、これは人生でも屈指のチャレンジであり、大きな学びの詰まった経験でした。

📌 この仕事で得たスキル

  • 複数部門を統括する「店舗運営とマネジメント力」
  • 売場戦略や価格設計などの「企画立案と実行力」
  • 予算や販促を組み立てる「計画的な数値管理力」
  • 設備トラブルにも対応できる「現場対応力」
  • 社内外との折衝による「提案力・調整力」
  • 転勤・異動でも通用する「信頼関係の構築ノウハウ」
  • アルバイトの強みを活かす「育成力と現場リーダーシップ」
  • 新規事業立ち上げに関する「推進力とトータルコーディネート力」
  • 飲食部門における「仕入・設備・店舗設計の総合的理解」

🔚 中編まとめ|模索しながら積み上がった“人と現場”のスキル

こうして振り返ると、30代から40代前半にかけてのキャリアは、「人と接する力」や「現場での対応力」を磨く時期だったように思います。

うまくいかなかったこともあったけれど、いろんな人や現場と向き合うなかで、自分に合う働き方や価値観が、少しずつ見えてきた時期でもありました。

特に、複合型書店チェーンでの経験は、自分の中に“核”のようなものを育ててくれた気がします。

やり方はバラバラでも、地に足のついた実践経験は裏切らない──今ではそんなふうに思えるようになりました。

👉 続きはこちら:
【後編】40代後半〜50代|“住宅×現場×営業”スキルの集大成

📚 スキル棚卸しシリーズまとめリンク

👉 【前編】10代〜20代|現場力と実践力の原点
👉 【中編】30代〜40代前半|視野が広がった葛藤と成長の時期
👉 【後編】40代後半〜50代|住宅×現場×営業スキルの集大成
👉 【まとめ編】スキル棚卸しをやってみた結果…全職歴から見えてきた“自分の軸”とは?